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にこにこしてても心の中は夫への悪口でいっぱい。「子どものため」離婚をやめて幸せになれるのか『離婚してもいいですか? 翔子の場合』

2024年4月18日

  • 「離婚してもいいですか?」と聞かれたとき、夫の立場だったらなんと答えるだろう。愛情がなければ良いというのかもしれないし、子どもが成人するまでは拒否を示すのかもしれない。しかし、妻がこの言葉をいうときは、相当な覚悟と積もり積もった不満があるときだろう


    『離婚してもいいですか? 翔子の場合』(野原広子/KADOKAWA)は、夫が大嫌いになってしまった妻・翔子が離婚しようと奮闘する物語だ。翔子の夫・淳一は、妻が丹精込めて作った料理を採点してくるタイプのモラハラ男。一方、妻の翔子は夫と離婚したいと思っていてもそれを声に出していえない上、収入もなく自分だけでふたりの子どもを育てる自信もない。


     本作を読めば、いつもニコニコしている妻が心の内では夫を「大嫌い」になった理由が手に取るように分かるようになる。きっと、夫が嫌いな妻が読むと共感でき、妻に嫌われる夫が読むと思わず心臓が痛くなるだろう。もし「自分と同じだ」と思うシーンがあるのなら、妻と夫それぞれの考えや行動を今後の参考にしてみてもらいたい。

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