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“現代版ももたろう”のような絵本に学ぶ「ピンチに立ち向かう心」。『大ピンチずかん』鈴木のりたけさんも推薦!

2024年4月24日

  • きゅうしょくたべにきました
    『きゅうしょくたべにきました』 (KADOKAWA)

     人を痛めつける怖いもの、というイメージがある鬼。それがもし、「給食」を食べようとする食いしん坊な鬼だったなら……? 絵本作家・シゲリカツヒコさんの新作『きゅうしょくたべにきました』 (KADOKAWA)は、鬼に奪われそうになった給食を、子どもたちが力をあわせて取り戻そうとするストーリー。今作でも、作者ならではの奇想天外な物語と緻密なイラストが健在です。


    みんなが大好きな「給食」。一番人気はシチュー!


    (p3-4)

     きっかけは、1枚の献立表でした。学校の給食が大好きなヒロトが道ばたで献立表を広げて眺めていると、ピューッと強い風が吹いて献立表が空のほうに舞い上がり、どこかへ消えてしまいました。


     数日が経ち、クラスでいちばん人気のシチューが給食に出る日。ヒロトが学校へ行くと、なんと、下駄箱から可愛らしい小鬼が顔を出しました。風に飛ばされたヒロトの献立表を拾ったのは、雲の上にいた小鬼だったのです。小鬼は雲の上で鬼の食事をつくっているのですが、その食事の人気がなく、みんなが残すので困っていたようです。そこで、「シチュー」という美味しそうな給食を食べるため、ヒロトたちのところへやってきたのでした。

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