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「コロコロコミック」史上初の人気アンケート12ヶ月連続1位!大人も魅了される『運命の巻戻士』は何がすごいのか?

2024年4月18日

  • 運命の巻戻士(まきもどし)"
    『運命の巻戻士』(木村風太/小学館)

     小学館の「コロコロコミック」で1年間人気ナンバー1となったマンガは何かご存じだろうか?


     それが『運命の巻戻士(まきもどし)』(木村風太/小学館)である。時間を巻き戻してやり直すことで、悲運の死を遂げた人々を救う「巻戻士」たちを描いた物語だ。ちなみにこの12号連続アンケート人気トップというのは「コロコロコミック」創刊47年で史上初の快挙である。


     本稿のライターの子どもをみていても思うが、彼らは知らないことだらけで、興味をもった新しいものを試さずにはいられない。それは移り気で、飽きっぽいようにも見える。そんな子どもたちの心を長く掴み続けた本作。その魅力は心躍るSF設定、感情移入したくなる激アツなキャラクター、引き込まれるストーリー展開などだ。また、18万以上の登録者がいるYouTubeチャンネル『運命の巻戻士 〜絶望からの大逆転〜』では漫画動画を配信しており、この漫画動画で作品を知ってマンガを読む、という流れも生まれている。ちなみにこれもライターの息子の話だ。小学3年生になる彼のクラスでは、本作が共通の話題だそうだ。


    ■時を操り、運命を変える「巻戻士」の激アツストーリー


     大人もぐっとくるSF設定、タイムリープ作品らしい先の読めないストーリー展開に引き込まれるし、運命についても考えさせられる。ただ、やはり本作の最大の魅力は「過去を変え、未来を変える」という強い思いをもったキャラクターのアツさだ。

    「“運命”なんて言葉、おれは大っ嫌いだ!! そんなの絶対変えてやる!!」こう口にする主人公が、14歳の新人巻戻士・クロノ。彼は未来を変えるためには、何十回どころではなく、何百回、何千回でも時を巻き戻していた。クロノは救助の過程で「誰も傷つかない、誰も悲しい思いをしないルート」を探すからだ。

     そもそも、未来を変えられるのは100万分の1という低確率。結果としてクロノはその心身を削り異常な回数を巻き戻したうえで、事件を解決するための“攻略未来(クリアルート)”を発見するのだ。

    ■クロノと仲間たちと因縁の宿敵

     クロノは今でこそ他人への思いやりにあふれた少年だが、幼い頃は人付き合いが苦手で孤立していた。そんな彼を励まし勇気づけていたのは妹のトキネだ。彼女は強く、優しく、何でもできた。彼は妹を羨んでいたこともあった。そんなトキネは、クロノの目の前で命を落としてしまう。

     このトキネを救うためにクロノは「巻戻士」になった。だが、彼女の死亡事件は“ある理由”で解決難度が最高レベルとされ「CASE999」と呼ばれており、クロノはもちろん、他の「巻戻士」たちも容易に手を出せないでいた。クロノは、これに挑むために「巻戻士」のトップである“特級巻戻士”を目指し、成長していくのだ。

    「CASE999」を高難度にいたらしめている理由のひとつが、時空犯罪組織“クロックハンズ”と呼ばれる存在だ。彼らはあらゆる時代で歴史を改変するような大犯罪を企んでおり、さらに「巻戻士」の命も狙ってくる。対する「巻戻士」は精鋭ぞろい。クロノの師匠であるシライ、明るく前向きな少年アカバ、クールだが根は優しい少女レモンなど、クロノの仲間たちは個性豊かで頼もしい面々だ。彼らが抱える過去や葛藤も丁寧に描かれていく。

     困難と運命に立ち向かう強い意志をみせるクロノたちを描くストーリーは「仲間との友情」「発想や努力で勝利を目指す」という少年マンガの王道。もちろん、クロックハンズと巻戻士の「時間を操る能力」を駆使したバトルシーンも、緊迫感と迫力にあふれている。

    ■最新6巻で描かれる、大興奮のどんでん返しに次ぐどんでん返しの展開

     発売したばかりの最新6巻では、クロックハンズとの戦いの中で一人の「巻戻士」の悲しい物語が描かれる。クロノは特級巻戻士になるために、“開眼(バージョンアップ)”の発現を願う。それには命懸けのミッションをこなす必要があるということで、兵器メーカーや軍事国家と取引の噂がある闇の企業・TOTEに潜入する。そこで社員・エンノシタが命を落とすことを阻止するためだ。

     クロノは先輩の2級巻戻士・チャイヌとタッグを組み、エンノシタを救えるあと一歩までたどりつく。一方「巻戻士」本部では、全隊員が集められ、この中にスパイがいると告げられていた。クロックハンズは「巻戻士」を先回りして襲ってきており、それは動きや情報を事前に知っているとしか思えないからだ。そこで判明したスパイが腕利きの1級巻戻士ハクギン。しかし、ハクギンはいなかった。ハクギンという「巻戻士」は存在しなかったのだ。

     そして、クロノに危険が迫る。ただでさえハードだったミッションが、さらに困難をきわめる状況に……。どんでん返しに次ぐどんでん返しの展開に、読んでいて興奮が加速していく。6巻までたどりついたあなたは、きっと一気に読み切ってしまうはずだ。子どもを魅了した新時代のSF少年マンガ、大人のあなたも知らないままなのはもったいなすぎる。ぜひこの面白さを体感してみてほしい。

    文=古林恭


     大人もぐっとくるSF設定、タイムリープ作品らしい先の読めないストーリー展開に引き込まれるし、運命についても考えさせられる。ただ、やはり本作の最大の魅力は「過去を変え、未来を変える」という強い思いをもったキャラクターのアツさだ。


    「“運命”なんて言葉、おれは大っ嫌いだ!! そんなの絶対変えてやる!!」こう口にする主人公が、14歳の新人巻戻士・クロノ。彼は未来を変えるためには、何十回どころではなく、何百回、何千回でも時を巻き戻していた。クロノは救助の過程で「誰も傷つかない、誰も悲しい思いをしないルート」を探すからだ。


     そもそも、未来を変えられるのは100万分の1という低確率。結果としてクロノはその心身を削り異常な回数を巻き戻したうえで、事件を解決するための“攻略未来(クリアルート)”を発見するのだ。


    ■クロノと仲間たちと因縁の宿敵


     クロノは今でこそ他人への思いやりにあふれた少年だが、幼い頃は人付き合いが苦手で孤立していた。そんな彼を励まし勇気づけていたのは妹のトキネだ。彼女は強く、優しく、何でもできた。彼は妹を羨んでいたこともあった。そんなトキネは、クロノの目の前で命を落としてしまう。


     このトキネを救うためにクロノは「巻戻士」になった。だが、彼女の死亡事件は“ある理由”で解決難度が最高レベルとされ「CASE999」と呼ばれており、クロノはもちろん、他の「巻戻士」たちも容易に手を出せないでいた。クロノは、これに挑むために「巻戻士」のトップである“特級巻戻士”を目指し、成長していくのだ。


     困難と運命に立ち向かう強い意志をみせるクロノたちを描くストーリーは「仲間との友情」「発想や努力で勝利を目指す」という少年マンガの王道。もちろん、クロックハンズと巻戻士の「時間を操る能力」を駆使したバトルシーンも、緊迫感と迫力にあふれている。


    ■最新6巻で描かれる、大興奮のどんでん返しに次ぐどんでん返しの展開


     発売したばかりの最新6巻では、クロックハンズとの戦いの中で一人の「巻戻士」の悲しい物語が描かれる。クロノは特級巻戻士になるために、“開眼(バージョンアップ)”の発現を願う。それには命懸けのミッションをこなす必要があるということで、兵器メーカーや軍事国家と取引の噂がある闇の企業・TOTEに潜入する。そこで社員・エンノシタが命を落とすことを阻止するためだ。


     クロノは先輩の2級巻戻士・チャイヌとタッグを組み、エンノシタを救えるあと一歩までたどりつく。一方「巻戻士」本部では、全隊員が集められ、この中にスパイがいると告げられていた。クロックハンズは「巻戻士」を先回りして襲ってきており、それは動きや情報を事前に知っているとしか思えないからだ。そこで判明したスパイが腕利きの1級巻戻士ハクギン。しかし、ハクギンはいなかった。ハクギンという「巻戻士」は存在しなかったのだ。


     そして、クロノに危険が迫る。ただでさえハードだったミッションが、さらに困難をきわめる状況に……。どんでん返しに次ぐどんでん返しの展開に、読んでいて興奮が加速していく。6巻までたどりついたあなたは、きっと一気に読み切ってしまうはずだ。子どもを魅了した新時代のSF少年マンガ、大人のあなたも知らないままなのはもったいなすぎる。ぜひこの面白さを体感してみてほしい。


    文=古林恭

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