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スペック高すぎと噂の野原ひろしの名言集。映画「オトナ帝国の逆襲」で足の激臭で正気に戻ったひろしの一言とは?

2024年4月20日

  • 野原ひろしの名言
    『野原ひろしの名言 「クレヨンしんちゃん」に学ぶ幸せの作り方』(大山くまお/双葉社)

     漫画やアニメなど で人気の『クレヨンしんちゃん』。作中に登場する野原家を支える父・ひろしの言葉は、年を重ねるにつれてジワジワと心に染み渡ってくる。


     書籍『野原ひろしの名言 「クレヨンしんちゃん」に学ぶ幸せの作り方』(大山くまお/双葉社)は、そんなひろしが実際に作中でつぶやいた名言を紹介する一冊だ。彼を「世界で一番身近なヒーロー」と称する著者の思いには、強く共感する。「平凡で、とてつもなくカッコいい男」の言葉は、世の「お父さん」をはじめ、多くの人を突き動かすのだ。


    ■幸せは“身近にある”と気づかせてくれる一言


     本書はひろしのイラスト、名言、そして、ファンである著者が優しく語りかけるような解説で展開する。メインの内容は「家族」「サラリーマン」「父と子」「夫婦」「男の生き様」「幸せ」「人生」の全7章で、自身の日常に共感できるフレーズを、きっと見つけられるはずだ。


     例えば、今なお語り継がれる映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』の一節は「家族」をテーマにした、屈指の名言だ。


    野原ひろしの名言

     映画では、春日部で開催される“20世紀博”の“臭い”に魅了された大人たちが街から姿を消す中、主人公・しんのすけを中心に“かすかべ防衛隊”の面々が、自分たちの“未来”を取り戻そうと奮闘する。


     本書で取り上げる劇中のひろしによる一節「オレの人生はつまらなくなんかない! 家族がいる幸せを、あんたたちにも分けてあげたいぐらいだぜ!」は、映画のクライマックスで“20世紀博”の首謀者である悪の組織「イエスタデイ・ワンスモア」のケンに、ひろしが放った名言だ。


     劇中で、しんのすけが嗅がせた自身の“足裏の臭い”で正気を取り戻したひろしが、のちに「残念だよ、野原ひろしくん。つまらん人生だったな」と語りかけるケンに、この一言を告げた。


     著者いわく「大それた野望なんて必要ない。大金だって必要ない。仲の良い家族がいれば、それだけで人生は幸せなんだ」とするひろしの「強い信念が表れた言葉」で、幸せとは“身近にある”と強く気づかせてくれる。


    ■取引先とのトラブルで落ち込む後輩に放った“カッコいい”名言


     汗を流し働く「サラリーマン」に刺さる、ひろしの名言も様々。当初は知り合いで、のちにひろしの職場の後輩となったご近所のヨシりんに放った一言は先輩、上司としての“あるべき姿”を訴えかけてくる。


    野原ひろしの名言

     取引先とのトラブルによって仕事が嫌になり、辞表を書いてしまったヨシりんに、ひろしは「おまえ辞表なんて書いたのか!? そんなもん書く前にやるべき事があるだろ!! 取り引き先に謝罪に行くんだ!! オレもつき合ってやるからっ」と言い放つ。


     作中で係長のひろしは「オレもいつかは島耕作!!」と意気込みながらも、ごく「平凡なサラリーマン」として、描かれている。ヨシりんには公私ともども「迷惑」をかけられっぱなしだが、ヨシりんがいざ落ち込んだら「一喝」して「一緒に取引先」へ向かい「謝罪」する男気を見せるのは、カッコいい。


     昨今は「自己責任」として「責任を回避するような上司が多い」と憂うのは、著者だ。心強い先輩、上司としてのひろしを「この責任感はすばらしい!」と称賛するのは同感で、見習いたくなる。


     1990年に漫画がスタートして、30年以上。当時は一般的だった『クレヨンしんちゃん』で描かれる家族像、社会像はたしかに変わった。しかし、心に刺さるひろしの名言は普遍的だ。平成から令和となった現在においても、教訓は多い。


    文=カネコシュウヘイ

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