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SUPER BEAVER渋谷龍太のエッセイ連載「吹けば飛ぶよな男だが」/第34回「貫け、括弧笑」

2024年4月27日

  •  やめたくてもやめられないことが世の中にはたくさんある。ある人はアルコール、ある人はギャンブル。依存なんていう大袈裟な言葉もあるが、日常のなかで無目的に携帯電話を見てしまったり、なんとなくテレビをつけてしまったりも、そういう些細なことだってそれに該当すると思う。快楽、安堵、習慣。人はきっと、飲み込まれやすいのだ。


     かく言う私にもやめたくてもやめられないものがある。ただ、私のそれは快楽や、安堵や、習慣といったものより余程たちの悪いものだったりする。「プライド」ってやつだ。


     これが理念になってしまうと、自分で自分を苦しめる結果に陥りやすい。人から無理だと言われた夢や、莫大に時間を費やしてきた目標など、どうにも引くに引けなくなってしまったことが、わかりやすくそれに該当すると思う。見返してやりたくなったり、ここまでやったんだからと思ってしまったり、もちろん結果が良い方向に転べばとても素敵なことであることは間違いない。ただ、当初のキラキラした志が消え、そしてさまざまなものを鑑みず、「プライド」が一番先頭を走ってしまっている状態は、あまり良い状態だとは思えない。

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