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「世界水準の雑談力」って!? 人との距離を一気に縮める話し方

2021年6月7日

  • 世界最高の話し方
    『世界最高の話し方 1000人以上の社長・企業幹部の話し方を変えた! 「伝説の家庭教師」が教える門外不出の50のルール』(岡本純子/東洋経済新報社)

    「話し方」ひとつでモノがバカ売れしたり、人間関係にヒビが入ったりもする。では、人との距離をグッと近づけ、ビジネス的な成功やリーダーシップの発揮にもつながる「話し方」はどうすれば身につくのか?

     そんな問いに応えてくれる1冊がある。

     日頃の雑談から会議にプレゼン、部下へのほめ方・𠮟り方、さまざまな場でのスピーチなど、いろんなシーンでの話し方に加えて、声のトーンやプレゼン時のスライドのまとめ方までも指南してくれる、『世界最高の話し方 1000人以上の社長・企業幹部の話し方を変えた! 「伝説の家庭教師」が教える門外不出の50のルール』(岡本純子/東洋経済新報社)である。

     本書が素晴らしいのは、実践的なハウツーだけでなく、最高の話し手になるためのスピーカーズ・マインドとでもいうべき心の在り方も、しっかりと教えてくれるところだ。

     本稿では、「人との距離を縮める」をテーマに内容をいくつか紹介していこう。

    「雑談」で人との距離を縮める

     雑談で相手との距離を縮めたい、そんな際は本書の最初に登場するこのルールを活かそう。

    ルール1 「会話の内容」は忘れても、「印象・気持ち」はずっと残る

     雑談や会話では、「何を話すか」よりも「(相手を)どんな気持ちにさせるか」が大事という教えであり、「世界水準の雑談力」に欠かせないルールでもあるという。

     日本のエリートたちの多くが、雑談が苦手なのに比べて、「海外のエグゼクティブと話すと会話の『入り方』がじつに巧み」だと記す著者。その様子はこんな感じだ。

     満面の笑みを浮かべながら近づいて、あいさつをすると、さりげなく家族の話などプライベートを語り、初対面の人との距離を縮めて「ラポール」(お互いの心が通い合う)の状態をつくり出す。

     ポイントは、笑み、あいさつ、そして「共感」を得やすい家族ネタにある。どれも人との距離を縮める要素であり、「家族想いの人なんだ」といった印象付けにも成功する。

     雑談とは、この「印象・気持ち」を形づくる「つかみ」の機会であり、「その第一印象がその後のキャリアを決定づけるからこそ、世界のエリートはその時間を決して無駄にしない」と著者。

    「何を話すか」よりも「(相手を)どんな気持ちにさせるか」を重視して話題を選ぶことで、人との距離を縮める雑談・会話になるのである。

    「利他視点」(相手フォーカス)で人との距離を縮める

    「利他視点」(相手フォーカス)とは、相手が「話題を楽しんでいるか」「話についてきているか」など、その心中を推し量りながら会話を進めていく視点のことである。

     この「利他視点」に立つことが、雑談やスピーチなどをうまく進めるコツだという。

     そのため会話では「自分が投げたい球ではなく、相手が受け取りやすい球を投げているか?」と自分に問うことが大切なのだ。

    「自分をアピールしたい」や「自分が言いたいことを聞かせたい」という思いばかりでは、利己視点(自分フォーカス)の話し方になり、相手との距離は縮まらない。

     著者は、「自分のことを話すとき、人はお金や食べ物、セックスと同じような快感を覚える」というハーバード大の神経学者のコメントを引用し、こう記す。

    「これを裏返せば、相手にマイクを渡し、話をさせて、聞いてあげれば、相手を快楽ホルモンで包み込んであげられるということ」。

     本書には、「利他視点」(相手フォーカス)に立つためのルールがいくつも紹介されているので、ぜひ、それらを学んでみよう。

    「あいうえおの法則」で人との距離を縮める

    「これを実践すれば、人生は必ず上向きになる」というおまじないにして、コミュニケーションの超基本が「あいうえおの法則」だ。

    あ:あいさつ
    い:「いいね!」
    う:「うん、そうだね」
    え:えがお
    お:「お礼」を言う

     いさつで人と人の間にある厚い壁を壊し、いねとほめ上手になる。ん、そうだねと相手に耳を傾け、共感する。そしてがおは、マスク着用時代の今、眼元からしっかりと笑顔をつくって気持ちを和ませる。そして、あらゆるポジティブな効果のもととなる礼(感謝)で会話を締めくくる。

     この法則は、「利他視点」に立てば簡単に行え、かつ、「信頼」を無限に手にすることができると著者は記している。

     本書には他にも、「『ほめる6:叱る1』が、科学的に証明されている黄金比」(ルール11)や、「『教官型』リーダーはもう古い! 『共感型』の話し方を身につけよ」(ルール19)、さらには「YouTuberに学ぶリモートの『話し方』6つのコツ」(ルール42)など、リモート対策にも目からウロコのアドバイスが満載だ。

    「あとがき」も精読することをおすすめしたい。これからの時代、「共感」はもちろん、さらに普遍的な「コンパッション(思いやり、慈悲)」こそが、コミュニケーションに求められていることが記されている。

     とかく炎上しやすい現代コミュニケーションである。ぜひ、本書で人との距離を近づけるためのハウツーとスピーカーズ・マインドをしっかりと学んでみてはいかがだろうか。

    文=町田光

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