ダ・ヴィンチ - ワラウ

幸せな家族が破滅するスイッチがあったら、あなたは押しますか?

2021年6月10日

  • スイッチ 悪意の実験
    『スイッチ 悪意の実験』(潮谷験/講談社)

     辻村深月さんや西尾維新さんら人気作家を輩出してきたメフィスト賞。近年は、ある日人間が異形の姿に変わってしまう『人間に向いてない』(黒澤いづみ/講談社)や、ロースクールの学生が裁判を模したゲームに興じる『法廷遊戯』(五十嵐律人/講談社)など、特異な設定から人間の本質に迫る作品が目立つ。最新の第63回受賞作『スイッチ 悪意の実験』(潮谷験/講談社)も、まさに同賞らしい衝撃的な内容だった。普通の大学生に“他人を破滅させるスイッチ”が配られ、思いもよらぬ事件を引き起こす。


     何かを決めることが苦手な女子大生の小雪は、ある日先輩からアルバイトに誘われた。著名な心理コンサルタント・安楽(あらき)が主催するもので、ひと月で報酬はなんと100万円以上。だが、その内容はいかにもあやしい。参加者のスマホには「スイッチ」のアプリがインストールされ、押せば幸せな家族がひとつ“破滅”するという。

    続きを読む