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新型コロナウイルス対策の「専門家会議」とは何だったのか? 政府と専門家の主張が異なるワケ

2021年6月11日

  • 分水嶺 ドキュメント コロナ対策専門家会議
    『分水嶺 ドキュメント コロナ対策専門家会議』(河合香織/岩波書店)

     5月14日、政府は「まん延防止等重点措置」を群馬、石川、岡山、広島、熊本の5県に新たに適用する当初の案を方針転換し、北海道、岡山、広島の3道県に緊急事態宣言を出すことを決定した。そしてこの政府の方針転換は新聞の一面になるほどの大きなニュースとなった。


     政府の案が一変したことがなぜこれほどまでにニュースになったのか。『分水嶺 ドキュメント コロナ対策専門家会議』(河合香織/岩波書店)を読むことで、専門家が“画期的”とまで呼んだ今回の政府の方針転換の背景がわかってくる。


     本書は、新型コロナウイルスの対策において密閉・密集・密接の三密回避や、クラスター対策といった政府の初期対応へ、医学的な見地から“助言”を行ってきた新型コロナウイルス感染症対策専門家会議(以下:専門家会議)の5か月を振り返る。


     タイトルとなった“分水嶺”という言葉は、降った雨が山の尾根のどちらか一方に川となって流れるその境界のことで、一度川になった雨水は決して別の流れに戻れないことを指す。

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