ダ・ヴィンチ - ワラウ

また新たな表現の扉が開いたことを告げる初の書き下ろしエッセイ集――上白石萌音『いろいろ』

2021年9月25日

  • いろいろ
    『いろいろ』(上白石萌音/NHK出版)

     たとえば、映画『君の名は。』の宮水三葉役、ドラマ『恋はつづくよどこまでも』の佐倉七瀬役で、初のオリジナルフルアルバム『note』や70~90年代の楽曲をカバーしたアルバム『あの歌』の歌で――。上白石萌音の声は染み入ってくるような心地よさを連れてくる。透明で、柔らかで、いつまでも聞いていたくなってしまうような。もちろんそれは天性のものによるところが大きいだろう。けれど彼女がラジオで語る声やインタビューを聞くと、そこには“言葉”への特別な向き合い方があるような気がする。初の書き下ろし エッセイ集『いろいろ』(NHK出版)は、そんな上白石萌音が内包する“言葉”に触れられる一冊だ。


    《踊る》《懐かしむ》《歌う》《愚痴る》《立ち返る》……50篇にも及ぶエッセイのタイトルはすべて“動詞”。シンプルなテーマからその“動き”を照らした、心の動きが端正な言葉で綴られていく。

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